reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

書評

物語が溢れてくる

秋山瑞人は危険だ。

「イリヤの空、UFOの夏」−「殉死」とは他者が排除された物語

イリヤの空、UFOの夏 その4 (電撃文庫)作者:秋山 瑞人アスキー・メディアワークスAmazon非常に魅力に溢れ、最後まで一気に読まされた本。けれど、危険な物語だ。それは、最終的に「自己犠牲と殉死」そして「喪」の物語に収斂していくからだ。 「喪」の物語と…

「国境の南、太陽の西」−村上春樹の孤独とタフさ

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)作者:村上 春樹講談社Amazon読んでいて胸がつぶれる。ひどく切ない気分になる。この本が新刊で出た頃読んだらただのオッサンの性的欲求不満の赤裸々な告白としか読めなかっただろう。少なくともグロテスクにしか感じなかった…