付記:セクハラ防止法で身を守ろう
(前エントリの続き)
「男女雇用機会均等法」という法律がありまして、これは主に女性が労働現場で不当に扱われないように定めた法律ですが、セクハラ防止法という側面があります。
そして、条文は基本的に「義務規定」、つまり罰則付きの規定です
(pdfファイル:http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kaiseidanjo/dl/01b.pdf)。
条文を読むと眠くなるので、条文の抜粋は最後にして、その解説を簡単にしますね。
要するに
- 事業主はセクハラへの対応をきちっとしなければダメよ(この事業主は、派遣先の事業主も含まれる)。
- 紛争が起きた場合、都道府県労働局長が仲裁に入れるよ。この紛争で労働者を不当に扱ったらダメよ。
- あまりひどいと、厚生労働大臣から勧告やら指導やらが入るよ。
- んで、その勧告やら指導を無視したら、世間に企業名を公表しちゃうよ。
- 厚生労働大臣に嘘の報告をしたりシカトこいたら罰則ね。これ企業に対してだけね。
という、かなり労働者保護に篤いものになっています。
セクハラは、
- 対価型セクシャルハラスメント
- 環境型セクシャルハラスメント
があります。
対価型セクシャルハラスメント | 環境型セクシャルハラスメント |
---|---|
職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者が労働条件(解雇、降格、減給等)につき不利益を受けること。 | 職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。 |
で、現在被害者の方には「環境型セクシャルハラスメント」が起きていて、それが「対価型セクシャルハラスメント」を引き起こすのではないか、とおびえているわけですね。
上記の通り、これらのセクハラは、かなり強い口調で糾弾されています。
彼女が法律で守られていることを伝えて上げてください。
そして法律条文を印刷して、ぐりぐり赤線引っ張って、そのセクハラオヤジに上げると良いです。
理解できないようだったら解説付きで。
会社上層部がことを穏便に済まそうと闇に葬る可能性がなきにしもあらずですから、やはり「上に知らせるぞ」「法律があるんだぞ」とそのセクハラオヤジを脅すのが一番良い気がします。
条文の必要な部分を抜粋します。
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第十一条
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
(紛争の解決の援助)
第十七条
都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
2 事業主は、労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第二十九条
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告を
することができる。2 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
(公表)
第三十条
厚生労働大臣は、第五条から第七条まで、第九条第一項から第三項まで、第十一条第一項、第十二条及び第十三条第一項の規定に違反している事業主に対し、前条第一項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
第五章 罰則
第三十三条
第二十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。