reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

なぜ怒鳴りつけたのでしょうか?

問題です。

あなたは学生です。

講義開始時刻から15分経っても、教師が来ません。

そろそろみんなざわつきはじめた頃。

教師がやってきました。

開口一番「こらっ!」と一喝!ギロリとにらみつけました。

すぐに講義が始まりましたが、あなたは納得がいきません。

自分は何も睨みつけられるようなことはしていません。おとなしく待っていたし、遅れてきたのは向こうのはず。

それなのに怒鳴るとはどういうこと?

講義の間中、もやもやとした気持ちでいました。

さて、


なぜ教師はあなたを怒鳴りつけたのでしょう?


(考える時間 30秒)





































答え

先手を取るため


もう少し言うと、「あなたを含め学生をあっけにとられた状態にし、自分が遅刻した事実を無かったものにした上で、講義をスムーズにはじめる」ためです。


つまり、怒鳴りつける内容ではなく、怒鳴りつけることそのこと自体が<理由>でした。


別にこちらが悪いことをしたわけでも何でもなく、相手の先手を取るために怒鳴りつけたわけです。


これは内田百輭が行ったことだと言われています。


こうやって相手の予想を超える行為で先手を取るという行為はよく行われることです。

「どうして怒鳴ったのだろう」なんて大間違い

先手を取られてしまったあなたは、「なぜあの人はあんなことをするのだろう?」と自分に問いかけます。


「まじめ」な人ほどそうです。


「どうして自分は怒られたのだろう」と問いを立てます。


そこが、ポイントです。


そもそも、問いの建て方が間違っているのです。


「どうして」と考えさせること自体が、すでに相手の術中にはまっているのです。


そうして、「この人はなぜこうしたのだろう」と考えさせることで、「先手を取った人」は、相手を意のままに操ることが出来ます

ものが考えられなくなる

こういう、「訳のわからない感情の起伏」ばかりを体験させられると、人は防衛反応でどんどん感覚を鈍らせていきます。


「考えてもしょせん答えはない」ことに気づいてしまうからです。


そして、段々とものを考えられなくなります。


論理的にものを考え、予測し、その結果をフィードバックしていくという行為が難しくなっていくのです。


一貫して人格を保つことが難しくなり、人格の統合が難しくなり、その場その場のつぎはぎでしかものを考えられなくなります。


よく「明日のことを考えない」人がいると言われますが、むしろ「明日のことを考えられない」のが正解だと思います。


このように、たいがい「先手」を取る存在は、人を混乱させ、果てしない答えのない問いに引きずり込みます。


このような体験を「トラウマ」と呼んだりします。


同じところをぐるぐると回るように思考し続ける人がいたら、そのひとは「トラウマ」にとらわれて、「答えのない問い」を問わされ続けているのかも知れません。


いきなり怒鳴りつけたり、決めつける相手に出会ったら、おかしな問いを立てないように気をつけましょう。