reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

ドラマ「相棒」Session9 第8話「ボーダーライン」の衝撃

たまたま観たドラマだったのですが、30代中盤の男性が「堕ちていく」過程をつぶさに追っていて、これはひとつのチャートだな、と思ったのでまとめてみました。


「+→0」は、持っていたものを失ったこと、「0→−」は、負債を背負わされることを示しています。

(罫線がなくてすみません……)

日時 出来事 雇用 人間関係 社会生活 こころ 特記事項
2008-2009 非正規でイベント会社で働く
2010 正規採用が決まり、家族と彼女に伝える。会社の寮に入れるのでアパートを引き払う。彼女と婚約する
2010.1 「業績悪化」で解雇される
2010.2 紹介された土建会社には寮がなく、一月で解雇 +→0 偽装請負」+スムーズに解雇するための偽装会社だった。寮など最初から無い。作業着などのピンハネが凄まじい
失業保険を申請→条件を満たしておらず給付無し
ネカフェ生活始まる +→0
前の住所に住民票を置き、私書箱に転送するようにする
医療事務の資格取得→倍率50倍で就職できず 0→− 「要経験」が採用条件だが、「30代後半の人間に経験積ませてくれる会社なんて無い」
家族から援助を断られ、関係断絶 +→0 お前が真面目にやっていないからこうなるんだ
彼女になじられ、婚約解消、絶縁 +→0 彼女「安定した生活が、そんなに無理難題なの?」主人公「無理難題なんだよ今の時代!」彼女「どこに行ってもダメなのは、あなたに問題があるのよ。あなたなんてもう価値ないのよ
2010.4 生活保護の相談に行くも、追い返される 職員「『ケース』の数が多すぎてこれ以上増やせないんですよ!生活保護級を減らせという圧力もありますし」
2010.5 犯罪歴のあるリサイクルショップに、古物免許の名義貸しをする 0→− 盗品を売りさばく闇の住人だった
犯罪目的の携帯契約、連帯保証人、偽装結婚に手を染める 0→−
「もう保証人としても、お前の名前に価値はない」と言われる 0→−
2010.10 コンテナに住み始める
2010.11 コンテナを追い出される
衣服だけは整え、食事は試食で食いつなぐ 0→−
何度か通ったパン屋の試食で、「気に入ったら、買ってくださいね」と言われる
前の住所に新たな住人が入居、これで住所不定になり、就職も絶望的 0→−
偽装殺人を装い、覚悟の自殺を遂げる


「家族」「福祉」「住居」「信用」「時間」を奪われ、ココロに余裕がなくなり、孤立した中で、いよいよ「食」を奪われる、という流れ。


けれど、このチャート、逆に言うと、幾つかの場面で「なんとかなるのではないか」という気にもなります。


明日はそれを検証したいと思います。