reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

「なぜ若者は優先順位がつけられないのか?」

「最近の若者は、ロクにものを考えられないバカばっかりで困る。われわれの若いころは……」という駄本かと思ったらぜんぜん違った。


この本は、スポーツ選手を中心に、幅広い立場・職業の人々へのメンタルケアを行なっているプロが、「ものごとの優先順位が付けられなくて困っている人」に向けて書いた、現状分析と処方箋だった。


「ものごとの優先順位が付けられない状態」は、能力が低いことによるものではなく、能力をどのように適用していいのかわからなかったり、能力を発揮できる心身の状態ではなかったりする場合が多い、と、筆者は自身の体験から語る。


そして、「ものごとの優先順位が付けられない状態」を大きく6つのタイプに分け、具体例と、その処方箋を解く。

具体例から導き出されるので、極めて説得力が高い。

また、6つのタイプの「脳の活動状態」を脳波の測定データを示して、違いと原因を示していて、こちらもわかりやすく納得がいった。


6つのタイプは個々独立しているが、どれも自分が当てはまると思える部分が多く、ひとつを読むだけではなく全体として処方箋を試したいと思った。


現場の実践から書かれているので、処方箋も具体的な例が多く、すぐにでもはじめられるものが多い。

疲れ果てていて、混乱している人の、心の取り戻し方も、呼吸を整え、低い目標を一点集中して、次第に高めていく、など、誰にでもはじめられるようハードルが低く、プロはすごいな、と思った。


時間を開けて、また読み直したいです。