「良い戦略 悪い戦略」の、最も根底にある考え方
「良い戦略、悪い戦略」
良書だと思います。何度も読み返している。本書の根幹
以下の抜き書きが、本書のすべてを貫く思想だと思う。 本書のどの部分を読むときでも、この考えを念頭に置くことが大事だと思う。
第1部で繰り返し述べたように、ごくおおざっぱに言えば、良い戦略とは
最も効果の上がるところに持てる力を集中投下することに尽きる。
(p.134)
矛盾する目標を掲げたり、関連性のない目標にリソースを分割して配分したり、相容れない利害関係を無理に両立させようとしたりするのは、
資金も能力もあるからこそ出来る贅沢
である。だがそれはどれも悪い戦略だ。にもかかわらず、多くの組織が的を絞った戦略を立てようとしない。あれもこれもと欲張りなリストを作成する一方で、リソースを集中投下して組織本来の強みを発揮する必要性に眼をつぶっている。良い戦略に必要なのは、さまざまな要求にノーと言える
リーダーである。戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要
なのである。 (p.34)
資金も能力も潤沢にあるのなら、戦略など必要ない。
制限があるから戦略が必要
となる。
根幹を踏まえて
その上で
、具体的な戦略の建て方が示される。
短期的には、手持ちのリソースを活かして問題に対処するとか、競争相手に対抗するといった戦略が取られることが多いだろう。そして長期的には、計画的なリソース配分や能力開発によって将来の問題や競争に備える戦略が重要になる。いずれにせよ良い戦略とは、
自らの強みを発見し、賢く活用して、行動の効果を二倍、三倍に高めるアプローチにほかならない
(p.134)
手持ちのリソースが無限なら、行動の効果を何倍にもする必要はない。そこに知恵を絞る必要はない。 手持ちのリソースに制限があるから、その特徴(強み)を捉え運用(活用)を工夫して、通常より高い効果を引き出す必要が出てくる。
あっちこっちに手を出して力を分散させることが「リスク回避」になるのは、もともと大量のリソースを持っている人や組織だけ
だ。
そうでないのに、そのように行動してしまう。じぶんは「特別」だと思って。
逆に、 リソースを無限に持った特別な人間には戦略は必要ないのかも
しれない。
制限ある自分
自分のリソースは無限だろうか?全方位に有効だろうか? そうでなければ、強みはどこで、弱みはどこだろうか。