reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

学歴と就職

超売り手市場と言わる新卒就職市場においても、就職するのに四苦八苦する高学歴就職難民たち。これは、個人の問題ではない社会の問題である。

高偏差値大学の卒業生というのが、その時点では「人が作ったゲームの高得点者」に過ぎないということがある。高学歴に対して就職を優遇されるべきというのは、高橋名人(って言ってもわからないかも知れないけど、かつてのヴィデオゲームの達人代表)を無条件で採用せよと言っているに等しい。


「バカ」という言葉を連発したid:dankogaiさんの今回のエントリはなかなかお下品だと思いますが、言葉を換えると、「リフレーミング」しなさい、と言うことだと思います。固定した視点からではなく、別の視点からものを捉えてみたらどうか、と。


社会に対する抗議は抗議でするのはかまわないが、個人としてのあなたが就職するためには、社会に抗議する以外の方法がいくらでもあるだろうと。

学歴が就職に直結しなくなった背景

学力が社会に出てからの力になるには、企業が安定した収益を上げた高度成長期というバックグラウンドがあって成り立っていた現象で、それが今壊れてしまっているんですね。


これまで高学歴であることは好待遇の就職先を見つけられるというルールが、この15年くらいで全く変わってきてしまったと言うことなんでしょう。


ほとんどの会社って、よほど特殊なところでない限り、学生時代の具体的な経験なんて不問なんですよ。一から教育し直す。だから、一括大量採用があった。


学歴がものを言ったのは、一から教育し直すときに、覚えが良いだろうと思われていたから。あまりそれ以外の理由って無いんですよ。


で、企業が暗黙の了解として行っていた高学歴者の採用が、就職氷河期を境に変化してしまった。


採用しない。「即戦力」を求めるようになる。教育しないで現場に放り出す。非常にカオスな状態になった。


そのカオスな状態だと、生き残るためには定型的な作業を効率よくできる能力だけでは足りなくて、「自分でルールを作る」力が必要になってくる。


軍隊的な集団から、傭兵を雇って戦地に送り込む集団に変わったという感じでしょうか。


id:dankogaiさんの場合は、傭兵的な生き方をずっとされてきたので、「ごちゃごちゃ言う前に動け」というのが信条になっている。

結果で示せと。


現在は、だからほとんど学歴が不問である企業が増えた点では自由ですが、これまで積み重ねてきた学歴が重んじられなくなるという点では不自由なんですね。

運動にこそ、思考の「リフレーミング」が求められる

僕は、id:iammgさんの言われるとおり、これは社会の問題だと思うし、社会が解決すべき問題だと思います。


ですが、ではその社会とは何かというと、国だったり自治体だったり企業だったりするわけで、そういう組織に要求を通そうと思ったらやり方を考えないと、抗議だけしてもなかなか通らないし、仲間も集めにくいと思います。


これを社会的な運動にするにはまた、新しい運動の形を作らなければいけなくて、それは定量的な学力では難しく、むしろアーティスティックな才能が求められるのでしょうね。


実は運動の世界こそ、ドロドロドロドロして、通り一遍の知識や学歴なんて全然通用しない、魑魅魍魎が跋扈する世界なんですよ……


第一歩は抗議の言説。それを受けて、行動に結びつけるとき、矛盾だらけの世の中とどう対峙し、それをコントロールし、自分を多数派にするのか、それが求められてくるのかなぁ、と思いました。


http://d.hatena.ne.jp/iammg/20080730/1217439217さん

私は、処方箋ではなく、大局的な視点にたった社会のトータルデザインを考えていく。

そのために、これから社会に出てたくさんのことを勉強したい。

本を読んで知識をためこむのはいいことだ、しかし、その知識を私は必ずや社会に還元するべく行動者になるつもりだ!


その意気や、良し!