reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

常に現実は「例外状態」にある

Arbeit macht frei 労働は自由にする - Dr-Seton’s diaryさん


ウソとかズルとか卑怯とかがない「公正」な社会なら、社会主義でも共産主義でも国家社会主義でも絶対王政でも、みな豊かで幸せになるんじゃないですかね。問題はウソとかズルとか卑怯を取り除けず、「公正」な社会にはならない、点にあると思いますが。率直に言ってしまえば、ウソとかズルとか卑怯とかがあることを前提に「公正」な社会を設計出来るか、に問題はあるのだ。

全くこの通りで、ウソとかズルとか卑怯とか、そういう「例外的なもの」は常に現れます。


そういう「例外的なもの」がない「理想状態」は、観念のうちにしか存在しません。


常に個々の法則は経済法則を含めて貫徹しますが、それは「理想状態」ではなく、「例外的なもの」がある「例外状態」において貫徹します。

たとえば、自由落下の法則は重力加速度に比例しますが、観測上は他の天体の引力の影響が必ず加わり、誤差が出ます。

他の天体の引力の影響全てを観測することは不可能ですから、法則と観測値は一致しませんが、これは正しいのです。

「例外状態」の下で、法則が貫徹する例です。


この点はすごく同意ですが、この反論って、「fromdusktildawn氏は『みなが自由にwin-win取引し、みんなが豊かになるのが、ネオリベ理想社会なわけです』と言っているが、そんなことはない」という反論にだけ留めるのは非常にもったいない、重要な論点だと思います*1


再度引用しますが、

ウソとかズルとか卑怯とかがあることを前提に「公正」な社会を設計出来るか、に問題はあるのだ。

実はこの点が非常に重要だと思います。

既存の左翼は、あるいはネオリベは、そしてあらゆる社会設計主義者は、この点をどう考えるのか。


「簡単だ。『マクロ経済学』の視点から考えればそういった『例外状態』も担保している」と一言で反論されそうですが、どうでしょう?


また、社会主義が失敗したのは、「例外状態」を考慮しなかったからなんでしょうか?

*1:追記:この言い方は少し問題があって、僕が言いたかったのは、fromdusktildawnさんが起こした立論に対し、それを否定するだけにとどまらず、その論がそもそも立脚し得るのか、またその論へオルタナイティヴな提案を期待したい、という意味でした