reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

言葉はいつも伝わらない

不安の解消がひとつの言葉で集約できること自体が、期間限定地域限定の出来事だ。

常識というのはその限定条件(パースペクティブ)の中でのみ通用する。

実際には、その言葉を契機に受け手が模索するなかで動的に個別具体的に解消されている。


言葉は静的に受け取られる。受け手を取り巻く限定条件によって受け取られる意味は変わる。

しかし支配的な言葉にはたいがい圧迫感がある。

だから、その言葉には安心と共に憎しみが積み重なり、やがて藁一つの重さでタガが外れる。

言葉の魔力は消え、憎悪の対象になり、新しい言葉が生まれる。


言葉が変わっただけで、限定条件が外れない場合がある。

限定条件が消えるたから、言葉が消えた場合もある。


「ある言葉」は、ある限定条件を認識の土台として共有しないと「その言葉」としては理解出来ないので、ある言葉自体を言うことは、ほとんど誤配を引き起こす

限定条件を説明することは、限定条件を経験することとは異なる。

説明の土台となる限定条件は、すでに持っていて、あとからしか気付けないものだから。

経験とはあとから振り返ることしか出来ない。

言葉の魔力は限定条件の中でしか生じないが、自分がしばれている限定条件は、過ぎ去ったあとからでしか気付けない。


だから言葉はいつも伝わらない。


一個も具体的なことを書いていないが、具体的なことを書けば、それぞれの限定条件でそれぞれが全く異なる受け取り方をするから、書くことが難しい。

言葉が伝わらないことを伝えたい文章だから、ここで筆を置く。