reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

「まおゆう魔王勇者」を見て、フリードリッヒ2世とアル・カーミルの話が思い浮かんだ

「待っていたんだ。ずっとずっと待っていた。君が現れるのを。ずっとずっと楽しみにしていた、君と言葉を交わすのを。」
(アニメ「まおゆう魔王勇者」第1話)

まおゆう魔王勇者」を、毎週楽しみに見ています。


異なる種族が、異なる思想信条を持って戦争を行なっている中、その中心人物どうしが意思を疎通し合ったという稀有な状況を見ると、「玉座に座った最初の近代人」と呼ばれたフリードリヒ2世について、以下の描写を思い出さずにいられません。

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「空論」と「なまぐさい話」

僕らは、どこかで社会的な役割を果たした夕べに、仮面(ペルソナ)を付けて、茶室やラウンジやバールで言葉を交わします。


戦国武将が、茶室の中だけは敵同士であっても争いから離れ、一個人として向かい合うように。

茶室の外では殺しあうわけです。

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「RADIO STEINS;GATE」を聴いた

インターネットラジオステーション<音泉>」で配信中の「今井麻美・関智一のRADIO STEINS;GATE」を聴いた。


4/20(土)から全国公開される映画
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ
について、ゲームプロデューサーの松原達也さんから、

「映画は完全新作。ゲーム、ドラマCD、アニメ、小説などの媒体を通して、本編で最終的に明かされなかった唯一の謎、『リーディング・シュタイナー』がどうして起こるか、について明かされます」

という発言があった。


自分は、これだけで涙腺が緩む。

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「なぜ若者は優先順位がつけられないのか?」

「最近の若者は、ロクにものを考えられないバカばっかりで困る。われわれの若いころは……」という駄本かと思ったらぜんぜん違った。


この本は、スポーツ選手を中心に、幅広い立場・職業の人々へのメンタルケアを行なっているプロが、「ものごとの優先順位が付けられなくて困っている人」に向けて書いた、現状分析と処方箋だった。

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「多読術」の感想

本読みにかけては右に出るものがいないほどの読書家で編集工学の創始者の、若い人に向けた「多読術」のすすめ。
インタビューだが、編集者がうまくまとめているので見出し通りに進行。

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2/5に読んだ本

  • 読書は対話に役立つ、読書は要約力を鍛えコミュニケーション力を付ける、読書は新しい世界への扉である
  • 3章の読書クイズ、マッピングなどが、実践的で、自分でもやってみたいと思った。


「武器としての決断思考」は「一人ディベート」によって問題設定からその検討と精査、結論まで、十分根拠のあるプロセスを経て辿り着く力を得るための技術の本だったが、応用編のこちらは、異なる他人とどのように合意を作っていくのかを、かなり実践的に書いた本。


相手の利害に焦点を当て、お互いが折り合わないと仮定した時に取れる行動の幅(バトナ)を情報収集で増やし(相手のバトナを知り)、アンカリングや仕掛けをともなった「譲歩」で交渉のはじめから終わりまで有利に進めるテクニックを紹介。

相手からぶん取ればいい、ではなく、「落とし所」を探り、損得を整理しながら(整理の方法も書かれている)譲歩する部分を自分で発見、継続的な交渉かを考え「儲け過ぎない」ことなども、単なる警句にとどまらず、論理的結論として導き出していて、腑に落ちる。


お互いが「合理的」である人間同士の交渉ばかりではないので、「非合理的」な人間を6つの類型として抑えている5章は、僕には「非合理的な人間」の方に親近感が湧いたので、逆に「こういうふうに籠絡されるのだな」と学べた。


「騙し合いのテクニック」として読むと、瀧本さんが「カイジ」の利根川にしか見えなくなるのだが、「騙されず、お互いが一人の人間として落とし所を探る」「そのためのマップ」と捉えると、これは前作と合わせて、実践的な良書だと思った。

なにより、読むだけではなく、アウトレットする「知的訓練が必要」だと痛切に感じた。

なお、時間がなかったので第6章未読。とりあえずメモとして。(15分)

2/3に読んだ本



話が通じないのはなぜか?いろいろな理由はあるが、根底にあるものとして「フレームワークが異なる」ことがあるようだ。フレームワークの説明は難しいが、同じ言葉でもベースにある知識・記憶・感情などが異なると、意味の違ったものとして使われ、それらが総じて異なる世界が作り出される、そういうもの、らしい。
一例だが、「湯水のように使う」というと日本では価値あるものの無駄遣いすることだが、湧き水も雨水もほとんど貯まらない島では、「湯水のように使う」とは最も大事に使うことを指す。ベースにある状況が異なるので意味が変わってしまう。
人と人との間で「フレームワークが異なる」ことを前提に、そのフレームワークを理解することで、「分かり合えない」から「通じる」に変えていくために、著者はまず、第2章で「人を知る」ことを提起する。
人を知るには、「『相手の関心』に関心を持つ」ことだ、と著者は言う。そして、「相手」とは、「全員」ではなく「一人ひとり」であるから、「『ひとりひとりの関心』に関心をもつ」こととなる。そのためのヒントを幾つか上げている。詳しくは本書をご覧ください。
人を知るだけでは、「話が通じる」ことはできない。「自分を知る」事が大切だ。自分のことは案外知らない。ここでも、「相手から見た自分」がどのようにみえるのかを、自分自身で客観的に見ることが大切だ。こころとか、信念とかではなく、あくまで他人から見た自分を見るのである。
そのうえで、「話が通じる」ために「他人」と「自分」をすり合わせるとき、変えられるのは「自分」である。そのためのヒントが興味深かった。
折り合わないときは、「1つだけ譲歩する」。
「負け」をイメージして、自分に大した影響が出ないことを知るとともに、逆に相手にとっては「負けカード」は最強のカードであることも知れば、負けることは怖いことばかりではなくなる。
相手の言葉を「翻訳」する。罵声も、親しいと思うから出てくる。本当に嫌いなら、「無視」である。これから関係を築きたいと思う相手の場合は、相手の言葉を、ワンクッション置いて、自分に都合よく「翻訳」することで随分ショックを受けずに済む。
それでもダメなら、席をたち、気分を変える、など。
非常に実践的な内容だった。
そこから最終章は、難しい内容を、「なぜ著者は難しい言葉や概念を使おうとしたのか」を考えながら読むことで、著者にとっての言葉や概念の「フレームワーク」を見つけ出せれば、「通じる言葉」として難しい内容も読み解ける、と、具体例をあげて示している。
たまたま手にとった本だが、非常に面白かった。
面白さを伝えられる文章力がないのが悔しい。(15分)