ブタを殺して何が悪いんですか?
昔話。
旅人*1が、仲間を悪魔によってブタにされてしまった。
旅人は、ブタの鳴き声を聞き、仲間の助けだと理解して助けた。
ブタはブーブーと鳴くだけだった。
それを仲間の助け声だと聴き取ったのは、旅人が、その声を仲間の悲鳴だと聴き取る姿勢があったからだ。
彼は、ブタの鳴き声にすら、人の声を聴いた。
逆に、人の声が、ブタの鳴き声にしか聞こえない輩がいる。
人の悲鳴でも、ブタの鳴き声としか聞こえない人間がいる。
本人は、まさかそれが人間の声だなんて思わないから、殺しておいしくいただく。
なんの邪気もない笑顔で、彼は言う。
本当に狂ってしまった人間は、本人は狂わず、周囲を狂わす。