reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

父の物語

トリアージという概念がある。

トリアージ(Triage)は、人材・資源の制約の著しい災害医療において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。
wikipediaより)

阪神大震災の際も、今回の四川大震災のさいにも、このトリアージという概念が用いられた。

そのことを伝えただけの講義に、なぜかブクマが殺到し、不思議なエントリがトラックバックされた。

前者は、まったく常野氏らしくない感情的な内容だった。これはきっと続編があるのだろう。

北守氏は、相変わらずだ。あらたな「父」の物語を求めてさまようパリ暴動の学生と同じ行動をとり続けている。

もう、大きな物語はないんだ。「父」などいないんだ。我々は、父無き世界で、加害者無き世界で、被害者達が手に手を取って秩序を作り上げていく世界を維持していくしかないんだ。

意味のわからない「論争」が、こういう具合に盛り上がり、まったくかみ合わないままに、声の大きい人間が自分の主張を声高らかにわめき続ける……まさに小林よしのりなどが毛嫌いした<サヨク>の常套法じゃないか。

あなたの仮想敵は、id:fuku33氏ですか?

意味わからないのですけれど。


北守氏のエントリについては、まったく破綻している。

なぜ、トリアージナチスに直結するのだ?fuku33氏が取り上げたのは四川大震災だが、では四川大震災でファシズムが生まれるのか?

ちがう、というらしい。なら、トリアージという概念が歴史一般的にファシズムと親和性が高い、とでも言いたいのか?


最初にwikipediaからの引用で示したとおり、トリアージという概念は非常に狭義な概念である。

異常事態に際し、その時点で持てるだけの医療機器や医療薬品を、どのように配分することで、多くの人を救えるかという「冷たい方程式」を解くという命題なのだ。


その命題に立ち向かう医師を、北守氏は裁くのだろうか、「正義」の旗の下に?いったいその「正義」って何だ?


もちろん、助けられる人は全て助けるべきだ。しかし、限られた医療機器・医療用品・医療薬品が目の前にあって、そしてそれが絶対的に足りない状況においては、何らかの判断を下さざるを得ないだろう。

僕は医師を責めることは出来ない。


もちろん、背景として、中国政府がほんとうに全ての必要物資をその能力を最大限に使って現地に送り込んだのかはわからない。

しかし、その点を問題にするなら、敵は中国政府であって、fuku33氏ではないだろう。


こういう、通り魔的エントリにはうんざりするよ。


頭を冷やしなさい。