reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

「雇用」「住居」「保証人」が「三位一体」の、古い「信用制度」

こちら

の続きです。


ドラマでは、

  1. 雇用
  2. 人との繋がり(家族・友人・保証人とか)
  3. 住居

という順番で失いましたが、現状では三つ失うと取り返すのがたいへんです。



図のように、現状では「雇用」「住居」「保証人」を手に入れるためには、「雇用」「住居」「保証人」が必要です。



3つの柱のうち、たまたま2つの柱が倒れても、残った柱で「雇用」「住居」「保証人」にアクセスできるので、取り返すことは可能です。



ところが、柱を3つとも失ってしまうと、「落ちて」しまい、「雇用」「住居」「保証人」にアクセスできなくなります



「雇用」「住居」「保証人」がある場所には、「柱」がなければとても遠くて高くて近づくことが出来ません。



このように、一度「落ちて」しまうと、取り戻すための「足がかり」が現状では見つけにくいです。

「住居」を借りようとすれば、「職業」と「保証人」を尋ねられ、「審査」を受ける。
「就職」しようとすれば、履歴書に「居住住所」を書かなければならない。
給料振込のための口座を作るためには「住居」「職業」「保証人」が必要。


まるで車を開けるための鍵が、ロックされた車の中にあるような状態です。


逆に言えば、「部外者を中に入れないシステム」と言えるのでしょう。
コンビニで食べ物を買うのに、いちいち自己証明が必要ではないのに*1システムが古いままである、と言えるかもしれません。


そして「審査結果」がでるまでにも時間は経過し、どんどん身動きが取れなくなってくる……



もともと三つとも持っていない場合は、はじめの一歩がとても高いです。


ドラマの主人公は、最後まで資格試験を諦めず、勉強を続けていました。

職に就く気力もありました。

だれにも頼ろうとしませんでした。


そういった好ましい行動が、悲劇へと繋がりました。


そして、最後まで「車の中の鍵」を取り出すことが出来ませんでした。


ではどうすればいいのでしょう?


次のエントリでは、その解決策を考えてみたいと思います。

お礼

文中の家族のイラストは、商用利用/加工利用可能な無料フリーイラストアイコン素材 -エムスタジオ様にお借りしました。
また、「住居」「仕事」「信用」のイラストは、フリー素材の来夢来人様にお借りしました。

*1:「追跡可能性(トレーサビリティ)」を追い求める世の中が進めばあらゆる機会に「信用」を示す必要がでてくるかもしれません。伊藤計劃さんの「ハーモニー」のように