reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

「孤独」とはずっと会っている関係というわけでもない

学生時代、「たまり場」があった。

それは空き教室だったりサークル室だったりするのだけれど、友人がシェアしている家が一番のたまり場だった。

リビング+3部屋で3人が住んでいて、有象無象が集まってくる。

僕のずっと前の先輩から引き継がれてきたもので、一人抜けると一人埋まる、という感じでメンバーが変わっていった。

僕はとにかく家に帰りたくないので、そこのこたつで夜を明かすことが多くて、結局一人部屋を出る際に、転がり込むことになった。

家賃3万だけ払えばいい。それならなんとかなる、とバイトをした。


高校生くらいまでは、他人と一緒に風呂にはいるのも恥ずかしかった。
プライベートが無い状態とかまったく考えられなかった。

でも、わいわい人が集まっていると、やっぱりそこに行きたくなるんだよね。

時々部屋にこもってひとりになるんだけれど、リビングでワイワイとみんなが騒いでいると、やっぱりのぞきに行っちゃう。


あの時代は楽しかった。色んなことはあったけれど。


2年くらい住んで、一緒に暮らしていた二人が中退することになって、唐突に共同生活は終わり、「たまり場」も無くなった。


今更実家に戻るのは耐え難いので、なんとか金をかき集めてアパートを借りた。
敷金礼金の他に、固定電話の借賃7万というのをNTTにぶんどられたな。あの金で今のNTTドコモの権力は成り立っている。


で、引っ越した晩。
寂しくて泣いたわ。


「俺はそんなに人と一緒にいるのは好きじゃない。そうだな、時間にすると2:8くらいで、人といる時間:ひとりでいる時間、が安定するかな」とか言っていたのに。


振られて帰って来た日、面倒見の良い同居の友人をたたき起こして朝の5時くらいまで愚痴を聞かせたり。

留守番電話のメッセージにくだらないことを吹きこんで、そんなことで大笑いしたり。


出入りする人間全員と仲が良かったわけではないし、いろんな不満もあったし、ケンカもしたが、あの、人が集まっている雰囲気はとても好きだった。


あの雰囲気に触れているだけで、「孤独」にはならなかったと思う。



誰かが結婚したり、離れた場所に仕事を得たりして別れるときは、どうしようもないのだけれど、寂しい。

学生時代も、彼女ができたヤツは部屋に帰って来なかったし。


しかし、あの時代があって、自分はドミトリーとか全く苦にならなくなった。
プライベートなんて、いくらでも場は作れるし。

その後、一人旅をするとき、かならずドミトリーかユースホステルを使うようになったのもそのせいだし。


ひとつの、「再誕生」の時間だった気がする。


その後僕にも彼女が出来て、まぁ、別れたんだけれど。