ベーシックインカム(BI)はそんなに「悪」か?
で、ずいぶんベーシックインカム論が叩かれているみたいなんですが、僕は異議申し立てをします。
僕はベーシックインカム論者です。
こちらのエントリをご覧ください。
- 僕はベーシック・インカムを応援します - reponの日記 ないわ〜 404 NotFound(暫定)
- ベーシック・インカムを導入したらどうなるか試算してみる - reponの日記 ないわ〜 404 NotFound(暫定)
- 14歳ホームレス中学生。希望は、戦争 - reponの日記 ないわ〜 404 NotFound(暫定)
きちんと財源計算をし、どのようなベーシックインカムを構想するか書きました。
いろんな方が急にベーシックインカムに言及を始めていますが、それらに特徴的なのははじめから「ベーシックインカム=ニューエコノミーの罠」という既存の図式にはめ込んだ上で、「悪いものは悪い」的展開をしていることです。
そして、まったく具体性がない。
具体性を持たないベーシックインカム議論なんて机上の空論以前ですよ。
ベーシックインカムというのは、ものすごく単純に
「ベーシック・インカム(BI)」というのは、生存するのに必要な金銭を個人に無条件で保障する、という制度構想です。
で、この補償を、
- 誰に対して行うのか(市民権の問題)
- どの金額で行うのか
- 何を財源にするのか
で、議論が分かれてきます。
本当は、
と、ベーシックインカムは仕組みが単純であるが故に、右派から左派まで幅広い主張を取り入れられます。
たとえば、急進右派のBIは、「負の所得税」という形を取ります。
その理念は
- BIは人々を堕落させるので非常に少ない額を給付すべきだ
- 人々は自由な市場と、道徳的な家族の元で生きるべきで、その点でBIが自由な市場を破壊せず、道徳的は家族から離脱できないものにしなくてはならない
でした。
そういうBIなら僕だって反対ですよ。
具体的でないと意味がないのです。
抽象的に論議してもしょうがないのに、冒頭に上げたエントリの中の人たち(id:hokusyuさんが僕に使ったのですが、どうです、使い方あってます?)は、もう新自由主義的BIしかなくて、それは資本主義を延命させるもので、許せない!許せない!
てな感じなのです。
滑稽ですね。
これを頭の固い既存左翼と言わずしてなんと呼ぶべきか。
はっきり付け加えておきますが、僕は、運動はほぼ無前提に支持するし、BIか生活保護か、なんていう問題設定もしていません。
問題は、BIを議論することで、日本における「見えない貧困」(たとえば子ども達)を引きずり出す、と言う効果などがある、ということです。
それは具体的であれば具体的であるほど効果を持つのです。
それを、議論することを最初から拒絶し、悪の手先でありそれを告発する自分は正義の人なんだ、と言うスタンスで議論する人たちが、「運動、運動」と念仏唱えているから、本当に運動に参加すべき人がその空中戦を見て、無感情に踵を返すのではないのですか?
嗤えますね。とっても。
「運動、運動!!」とわめく人が、返す手のひらで
湯浅誠『反貧困』 - 過ぎ去ろうとしない過去
世代間闘争だ自己責任だ言ってるバカは
などと言っていて、この人は相手を運動に参加させたいのか、ヒステリックにわめき立てて拒絶したいのか、わけわかんないです。
こう言うのを「ダブル・バインド」って言うんだと思います。
ベーシックインカムは、知名度を上げ、引き続き多くの方々に議論されるべきだし、それが「自己責任教」の餌食にならないように具体論を出していくことこそ重要ではないでしょうか。
生活保護にしても、具体的に何が問題で、どういった改善方法があるのかをブログで論じていくべきだと思います。
「湯浅誠さんが書いているんだから、それを読め!」というのは、お話になりません。自慢したいの?
論じる、というのは、オレはこんなに本を読んでいて、お前らは全然ダメだ!とわめくことじゃあありません。
論者が「キモチヨク」なってはダメだと思いますよ?
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