reponの忘備録

「喉まででかかってる」状態を解消するためのメモ

履歴書に「懲戒免職」などと書く人間はいない

たまたま「行列のできる法律相談所」を見ていたんですが、これはいかがなものかと……

住田祐子弁護士
「面接時に前職を懲戒免職で辞めたことを言わなかったのは、重大な経歴詐称」
「懲戒退職(ママ)、退職、依願退職は、雇用保険上も区別されるんだから……」


あらあら、うふふ (^^#


懲戒退職なんて言葉は無いことはまぁいいとして、雇用保険上の退職理由再就職における経歴詐称区別できていないとは、なんという……


雇用保険では、会社都合の退職と自己都合の退職では、失業手当を受け取れる期間(金額)も、受け取りはじめまでの期間(給付制限期間:3ヶ月*1)の有り無しも異なります。だから、雇用安定所に提出する際の書類には、会社都合なのか自己都合なのかを明記します(しかし、実際には自己都合であっても、会社都合の方が有利なため、労使間の話し合いにより「会社都合」として提出しているケースがままあります)。


そのことと、再就職の際に履歴書や面接に退職理由を書くこととは全く別の話ですよ。


前職の退職理由については基本的に会社は問えません。
面接時に前の会社の退職理由なんて言う必要も義務もありませんよ*2


法律上では、前職の退職理由によって、解雇はできません。


ただ、実際には、会社はそのことを理由にせず、別に理由を作ることで解雇することができますし、それが「解雇権の乱用だ」として争議した場合にも、法律上は労働者は解雇を撤回できますが、実際は会社側は実力行使によって辞めさせることができます。


その点では、前職の退職理由などなるべく話さない方がいいですし、労使間はできるだけ良好な関係を築いた方がいいです。


ただ、「法律上はどうなのか」を問うている場面では、常に、絶対的に、労働基準法によって労働者は守られており*3前職を理由とした解雇は「解雇権の乱用」となるのです。


その点についてどの弁護士も明確にふれていなかったので、首をかしげました。


ですので、再就職時の履歴書に、退職理由なんて書く必要はありませんし、積極的に話す必要もありませんよ。

*1:待機期間7日はどちらの場合も同じ

*2:だから、慎重な会社は興信所を雇って調べさせる。それもやってはならない。実際は、前の会社に人事が電話して、勤務態度を聞くなど、かなりいい加減と聞くが……

*3:労働基準法は労働者保護の法律です